適当にパナして変わる世界がある
スマブラおける"パナす"って、大体ネガティヴな文脈で語られることが多いですよね
「こいつパナしてるだけじゃねえか!!」
「パナしてるだけじゃ上手くならないよ」
ですが今日はあえて、"パナし"をポジティヴに考えてみましょう。
ポジティヴな"パナし"について考えること。それはつまり適切なパナしが満たすべき要素と、そこから得られる効能を議論することです。
まずはポジティヴな"パナし"が満たすべき要素とは何でしょうか?
それはリスク管理と客観性です。
まずはリスク管理について。
もちろんゲッコウガが横スマをパナすのとガノンが魔人拳をパナすのとは訳が違います。
ゲッコウガが横スマを先端で当てればガードされてもそれほど大きな反撃は無いし、仮にガードされた時の確定反撃が重めの一撃だったとしても、自分がその技のバースト%より低ければ死にはしないですよね。死ななきゃ安い。
一方でガノンが魔人拳をパナしたらどうなるでしょう。私がそのガノンの相手だったら後隙に80%の連携をぶちこみます。
具体的なパナしの効能については次の段落で触れますが、リスクを考慮した上でのパナしには相応のリターンが見込まれます。
わたしがこれを考えた時、ドラマ『カインとアベル』のセリフで、「リスクを背負える人間が良き経営者になる。安定成長を求めるのは二流だ。」という言葉を思い出しました。
次に客観性について。
これはパナしの動機が内発的なものか外発的なものか、という風に言い換えられます。
内発的な動機によるパナしとは、先程も述べたようにリスク計算をした上で、自分から「この膠着した状況に変化をもたらしてやろう!」と思ってのパナしです。
一方で外発的な動機によるパナしとは、
「お互いラストストックで自分134%相手120%、相手リミット溜まってるし時間もあと30秒しか無い、相手はタイムアップも視野だろうなぁ、しかもラインもない。ええい、空前振っちゃえ!先端当てすればきっと反撃もないだろう!」
→ガーキャンLBクライムハザードでGAME SET!!
みたいなシーンにおいて振ってしまった空前のような技の振り方ことです。
内発的な動機によるパナしであれば、パナしの方法はどうするか、リスクは管理されているかを客観的に考えるのに十分なだけの脳の容量を使えています。
それなのでこういうパナしは、パナされる側からすると、見てから対応をしにくいのではないでしょうか?「こいつのパナしは読めない……」という印象を与えられる思います。
逆に外発的な動機によるパナしは、緊張で思考の幅が狭まったり、ラインの状況などにより物理的に取れる選択肢の幅が狭まったりした上でのパナしです。パナされる側からすると「待ってました!」って感じですよね。これでは、いけませんね(必勝面接マニュアル)。
では、リスク管理をした上でかつ内発的な動機からパナした技から、わたしたちは何を得られるでしょうか。
わたしが考えるパナしの効能とは、ずばり、能動的に変化をもたらせることです。
膠着状態において、相手のリュウが突然横スマをパナした。
これにすぐ反応して後隙を狩れればベストです。でもそれまで堅実に立ち回っていた相手が急に放った横スマを咎めるのは難しいですよね。
ワンテンポ遅れて咎めに行くと、本命の大昇竜の無敵を合わせられてしまうかもしれない。かといって大昇竜を警戒してダッシュガードをしたら図々しくも掴まれるかもしれない。それすら見越して走行からその場回避をして、掴みを避けた!でも小足を擦られたら結局返り討ちにあうかもしれない……(フレーム関係を調べずに書いているのでおかしい事があるかもしれません、ご容赦ください)。
このように、相手の上手いパナしは能動的に膠着状態を破り、わたしにプレッシャーをかけることに成功します。もちろん今の例はいわゆるオン行動で、オフなら見える!ってこともあると思いますが、この例を通してわたしが伝えたいのは前文の最後の部分です。
一瞬のひらめきによる上手いパナしで、自分から良い流れを作ることができるかもしれない。
もちろんパナした後に何が起こったかを分析して得られる情報も大きいです。その情報を基に次のパナし方を考えたり、相手にパナしを意識させつつ堅実に立ち回って相手のミスを待ったりすることもできます。
さて、この≪上手いパナし≫とは、スマブラに限った話ではありません。
今の自分が置かれた状況で、自分の取り得る行動の選択肢が二つある。一つ、現状維持。二つ、ちょっと頑張ってリターンを求める。
例えば、日常会話やちょっとした議論の中で「これ言って大丈夫かな?」ということを思いつく時があると思います。そんな時は上手いパナしの満たすべき条件に照らし合わせて、「これを言うリスクとリターンは?」「これを言おうと思った動機はどこにあるんだろう?」と考える。
行けそうだな、となったら少し勇気を出してパナしてみる。そうしたら意外や意外、「同じこと考えてた!」「私はこう考えるけど、どうしてそう考えたの?」と相手から意外な返答が来て、そこから議論が一気に盛り上がるかもしれません。安定択を選んで月並みな会話をする方を選んだ自分には想像もできないような生産的なやりとりを持てるかもしれません。
もちろん、時には「え、何それ」と言われることもあるでしょうが、適切にリスク管理出来ていれば、理論上はトータルでリターンの方が多くなっているはずですよね。
さて、長い記事になってしまいましたが、エッセンスは次の2点です。
・パナしにも良いところはある。
・長々と語った理論は、確信を持ってパナすためのものである。
あ、あと、パナしについて考え理解を深めることは、相手のパナしに寛容になる助けになるかもしれませんね!
オン対戦で見えない相手と戦う時はどうしても自分本位になってしまいます。
相手のクソみたいなパナしで負けたら最後、どんなに穏やかなスマブラーでもツイッターを開いて「んー、集中切れてきたわ」と書き残してスプラを起動するのが人間の性です。
実にわたしもその一人なのですが、それって無意識のうちに《自分のスマブラに関する考えの体系から"パナし"を除外して、それでいてその体系こそが正しい!と盲信してるから》じゃないでしょうか。それって傲慢ですよね。
パナされて負けたら、「そのパナしは自分の意識が薄かったポイントかもしれない」「このパナしはもっと普遍的にスマブラー全体の弱点かもしれないから自分も取り入れよう」と謙虚に、かつ批判的に分析出来たらいいですよね。
そうするうちにあなたのスマブラ知識体系にパナしに関する分野が導入されて、パナしに動揺しなくなるだけでなく、自分の攻めのバリエーションを増やす助けになるかもしれません。あったまる自分を律するのはなかなか大変なことですが……。
ここからは私事ですが、わたしの初めてのブログ記事のテーマがパナしなのも何かの縁かもしれません。ブログを始めると言う選択もまた一つのわたしのパナしなので。
わたしがブログを書くことに期待するリターンは思考を言語化する力の向上と、誰かのインスピレーションになれば良いなという思いで、危惧するリスクはシンプルに時間が無くなることと黒歴史を量産することですかね……。
それでも書き始める選択をした以上は何かしら書き続けます。次回からは多分もっと短い記事になりますが^^;
ここまで読んでくださりありがとうございました。もしわたしのブログが三日坊主で終わらなかったらまたお会いしましょう!
毎日のスマブラがマンネリ化してきた時、後一回勝てば念願の予選突破を叶えられる時、人生の岐路に立たされている時、知らない人に声をかける時。
そんな場面でこれを読んだみなさんが、知恵と少しの勇気によって良い選択が出来るよう願っています。